平成29年(ネ)第10092号 特許権侵害差止請求控訴事件:パワーモジュールおよびパワーモジュールアセンブリ
事件番号等
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平成29年(ネ)第10092号 特許権侵害差止請求控訴事件
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裁判年月日
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平成30年3月26日
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担当裁判所
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知的財産高等裁判所(第4部)
(原審・東京地方裁判所平成28年(ワ)第13239号)
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権利種別
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特許権(「パワーモジュールおよびパワーモジュールアセンブリ」)
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訴訟類型
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民事訴訟
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結果
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原判決取消
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主文
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- 原判決を取り消す。
- 被控訴人は,別紙物件目録1記載の製品を製造し,販売し,輸出し,又は販売の申出をしてはならない。
- 被控訴人は,前項の製品を廃棄せよ。
- この判決は,第2項に限り,仮に執行することができる。
- 訴訟費用は,第1,2審を通じて,被控訴人の負担とする。
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趣旨
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- 主位的請求
主文同旨
- 予備的請求
(1) 原判決を取り消す。
(2) 被控訴人は,別紙物件目録2記載の製品を製造し,販売し,輸出し,又は販売の申出をしてはならない。
(3) 被控訴人は,前項の製品を廃棄せよ。
(4) 仮執行宣言
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争点
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(1) 被告製品の構成要件充足性(なお,被告は以下のア~オ以外の構成要件の充足性を争っていない。)
ア 構成要件1G「冷却流体通路(17)」の充足性
イ 構成要件1H「前記流体通路(17)内に配置された複数個の冷却フィン(18)」の充足性(文言侵害,均等侵害)
ウ 構成要件2F「パワーモジュールアセンブリ」の充足性
エ 構成要件2C4「当該モジュールの外部冷却手段と直接接するように構成され・・・冷却面(28)」の充足性
オ 構成要件2D「複合底」の充足性
(2) 本件特許1の無効理由の有無(乙1文献(特開平6-46547号公報をいう。以下同じ。)に基づく本件発明1の進歩性欠如)
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裁判所の判断
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- 被告製品1は,構成要件1G及び1Hを充足する。また,被告製品1が構成要件1Aないし1F及び1Iないし1Lを充足することについては,当事者間に争いがない。よって,被告製品1は本件発明1の技術的範囲に属するというべきである。
- 乙1’発明に基づき相違点1に係る本件発明1の構成を容易に想到できたということはできない。以上によれば,本件発明1に係る特許は,特許無効審判により無効にされるべきものであるということはできない。 ・被告製品2は,構成要件2C4を充足しない(控訴人は,この点についての均等侵害を主張しないし,被告製品2のその余の構成についても立証しない。)。よって,その余の点について判断するまでもなく,被告製品2は,本件発明2の技術的範囲に属すると認めることはできない。
- 以上のとおり,被告製品1は,本件発明1の技術的範囲に属するものと認められ,特許無効審判により無効にされるべきものとはいえない。したがって,352号特許権に基づき,特許法100条1項及び2項により,被告製品1の製造,販売,輸出及び販売の申出の差止め並びに被告製品1の廃棄を求める控訴人の主位的請求は理由がある。控訴人の請求をいずれも棄却した原判決は,取消しを免れない。なお,被告製品1の廃棄については,仮執行の宣言は相当ではないので,これを付さないこととする。よって,主文のとおり判決する。
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キーワード
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構成要件充足性/特許の有効性(進歩性)
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判決文