平成29年(ネ)第10059号 特許権侵害差止請求権不存在確認等:切断装置
事件番号等
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平成29年(ネ)第10059号 特許権侵害差止請求権不存在確認等
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裁判年月日
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平成30年3月14日
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担当裁判所
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知的財産高等裁判所(第2部)
(原審・東京地方裁判所平成27年(ワ)第556号,同第20109号)
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権利種別
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特許権(「切断装置」)
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訴訟類型
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民事訴訟
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結果
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原判決一部変更
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主文
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- 原判決を次のとおり変更する。
(1) 被控訴人は,控訴人に対し,284万8755円及びうち37万0755円に対する平成27年1月25日から,うち247万8000円に対する平成28年12月1日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(2) 控訴人のその余の本訴請求を棄却する。
(3) 被控訴人の反訴請求をいずれも棄却する。
- 本件附帯控訴を棄却する。
- 訴訟費用(補助参加によって生じた費用を除く。)は,本訴及び反訴並びに第1審及び第2審を通じて,これを5分し,その2を控訴人の負担とし,その余を被控訴人の負担とし,補助参加によって生じた費用は,本訴及び反訴並びに第1審及び第2審を通じて,これを5分し,その2を補助参加人の負担とし,その余を被控訴人の負担とする。
- この判決は,第1項(1)に限り,仮に執行することができる。
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趣旨
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- 控訴の趣旨
原判決を次のとおり変更する。
(1) 被控訴人は,控訴人に対し,730万1455円及びうち212万9400円に対する平成26年9月1日から,うち57万3300円に対する同年10月1日から,うち212万0755円に対する平成27年1月25日から,うち247万8000円に対する平成28年12月1日から,各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(2) 被控訴人の反訴請求をいずれも棄却する。
- 附帯控訴の趣旨
(1) 原判決のうち被控訴人敗訴部分を取り消す。
(2) 控訴人は,被控訴人に対し,368万6646円及びこれに対する平成25年7月31日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
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争点
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(1) 本訴請求の争点
ア 本件各通告は違法か(争点(1)ア)
(ア) 本件製品は本件各発明の技術的範囲に含まれないか(争点(1)ア(ア))
(イ) 本件特許は特許無効審判により無効とされるべきものか(争点(1)ア(イ))
a 無効理由1(甲29ないし甲32に基づく進歩性欠如)は成立するか(争点(1)ア(イ)a)
b 無効理由2(サポート要件違反)は成立するか(争点(1)ア(イ)b)
(ウ) 本件製品を補助参加人が製造販売したことにより消尽が成立するか(争点(1)ア(ウ))
(エ) 被告は本件製品をヤマト商工が製造販売することを容認したか(争点(1)ア(エ))
(オ) 本件製品が本件特許権の登録前に販売されたことにより消尽が成立するか(争点(1)ア(オ))
(カ) 被告の原告に対する本件特許権の行使は権利濫用又は信義則違反か(争点(1)ア(カ))
イ 被告に故意又は過失があるか(争点(1)イ)
ウ 原告の損害及びその額(争点(1)ウ)
(2) 反訴請求の争点
ア 本件製品は本件各発明の技術的範囲に含まれるか(争点(2)ア)
イ 被告は原告に対し本件特許権を行使することができないか(争点(2)イ)
ウ 差止め及び廃棄の必要性(争点(2)ウ)
エ 原告に過失の推定を覆滅させる事情が認められるか(争点(2)エ)
オ 被告の損害及びその額(争点(2)オ)
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裁判所の判断
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- 本件各通告は,本件特許権侵害の事実がないのにこれをあると告知したものであって,違法である。
- 被控訴人は,補助参加人による本件製品の製造販売が自己実施に該当し,控訴人の本件製品の使用が本件特許権の侵害に当たらず,本件各通告が虚偽の事実を告知するものであることにつき,故意又は過失があったということができる。
- 被控訴人は控訴人に対して本件特許権を行使することができないから,反訴請求には,理由がない。
- 以上の次第で,控訴人の本訴請求は,284万8755円及びうち37万0755円に対する平成27年1月25日から,うち247万8000円に対する平成28年12月1日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払を求める限度で理由があるからこれを認容し,その余は理由がないからこれを棄却し,被控訴人の反訴請求は理由がないからこれを棄却するのが相当である。よって,本件控訴に基づき原判決を上記のとおり変更するとともに,本件附帯控訴を棄却することとして,主文のとおり判決する。
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キーワード
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契約の成否・解除/その他(消尽)
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判決文