事件番号等
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平成28年(行ケ)第10151号 審決取消請求事件
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裁判年月日
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平成29年5月31日
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担当裁判所
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知的財産高等裁判所(第3部)
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権利種別
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特許権(「多接点端子を有する電気コネクタ」)
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訴訟類型
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行政訴訟(訂正・不成立)
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結果
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審決取消
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趣旨
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特許庁が訂正2015-390145号事件について平成28年5月23日にした審決を取り消す。
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取消事由
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ア 刊行物1発明の認定の誤り,一致点の認定の誤り,相違点の看過(取消事由1)
イ 相違点2についての容易想到性判断の誤り(取消事由2)
ウ 相違点3についての容易想到性判断の誤り(取消事由3)
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裁判所の判断
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- 以上のとおり,原告主張の取消事由1には理由がないが,取消事由2には理由があるから,取消事由3について判断するまでもなく,本件訂正発明の進歩性を否定し,本件訂正は特許法126条7項の規定に適合しないとした本件審決の判断は誤りであって,本件審決は取り消されるべきものである。
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キーワード
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進歩性(引用発明の認定,相違点の判断)/補正・訂正の許否(独立特許要件)
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実務上役立つと思われる点を、以下の通り判決文より抜粋する。
そこで,刊行物1発明の側方突出部26に刊行物2記載のコネクタの第一接触部に係る構成を適用することによりその下縁に「凹部」を形成する構成とするためには,刊行物1発明の側方突出部26の構成のうち,「下縁に凹部が形成され」た構成のみを残した上で,それ以外の構成を刊行物2記載のコネクタの第一接触部に係る構成と置き換えることが必要となる(本件審決も,このような置換えを前提として,その容易性を認めたものと理解される。)。しかしながら,刊行物1発明の側方突出部26に刊行物2記載のコネクタの第一接触部に係る構成を適用するに際し,上記側方突出部26が備える一体的構成の一部である下縁の「凹部」の構成のみを分離し,これを残すこととすべき合理的な理由は認められない。そもそも,刊行物1発明の側方突出部26の下縁に凹部が形成されている理由については,刊行物1に何ら記載されておらず,技術常識等に照らして明らかなことともいえないから,当該構成の技術的意義との関係でこれを残すべき理由があると認められるものではない。したがって,当業者が,刊行物1発明の側方突出部26に刊行物2記載のコネクタの第一接触部に係る構成を適用するに当たり,刊行物1発明の側方突出部26における下縁の「凹部」の構成のみをあえて残そうとすることは,考え難いことというほかない。
判決文