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知財裁判例速報

平成28年(ネ)第10111号 特許権侵害差止請求控訴事件:オキサリプラチン溶液組成物ならびにその製造方法及び使用

  • 2017/05/15
  • 知財裁判例速報

事件番号等

平成28年(ネ)第10111号 特許権侵害差止請求控訴事件

裁判年月日

平成29年4月27日

担当裁判所

知的財産高等裁判所(第2部)
(原審・東京地方裁判所平成27年(ワ)第28468号)

権利種別

特許権(「オキサリプラチン溶液組成物ならびにその製造方法及び使用」)

訴訟類型

民事訴訟

結果

控訴棄却

趣旨

1 原判決を取り消す。

2 被控訴人は,別紙被控訴人製品目録記載1~3の各製剤の生産,譲渡,輸入又は譲渡の申出をしてはならない。

3 被控訴人は,別紙被控訴人製品目録記載1~3の各製剤を廃棄せよ。

争点

(1) 被告製品は本件発明の技術的範囲に属するか
 ア 構成要件B,F及びGの「緩衝剤」の充足性
 イ 構成要件B及びDの「安定」の充足性

(2) 本件特許は特許無効審判により無効にされるべきものか
 ア 乙1発明による新規性欠如
 イ 乙1発明による進歩性欠如
 ウ 乙17発明による新規性欠如
 エ 「安定」に関するサポート要件違反の有無

(3) 訂正の対抗主張の成否
 ア 訂正要件違反の有無
 イ 本件訂正により無効理由が解消するか
 ウ pHの数値限定に関するサポート要件違反の有無

裁判所の判断

・当裁判所は,当審における主張及び立証を踏まえても,本件発明における「緩衝剤」としての「シュウ酸」は,添加シュウ酸に限られ,解離シュウ酸を含まないものと解されるから,解離シュウ酸を含むのみで,シュウ酸が添加されていない被控訴人各製品は,構成要件B,F及びGの「緩衝剤」を含有するものではなく,したがって,本件発明の技術的範囲に属しないものと判断する。

・以上の次第で,控訴人の本件各請求は,その余の点を判断するまでもなく,いずれも理由がなく,これと結論を同じくする原判決は相当であるから,本件控訴を棄却する。

キーワード

構成要件充足性/用語の意義(「緩衝剤」)



判決文