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知財裁判例速報

平成27年(ワ)第28699号,平成27年(ワ)第28848号,平成27年(ワ)第29004号 特許権侵害差止請求事件

  • 2016/12/19
  • 知財裁判例速報

事件番号等

平成27年(ワ)第28699号 特許権侵害差止請求事件

平成27年(ワ)第28848号 特許権侵害差止請求事件

平成27年(ワ)第29004号 特許権侵害差止請求事件

裁判年月日

平成28年12月2日

担当裁判所

東京地方裁判所(民事第40部)

権利種別

特許権(「オキサリプラチン溶液組成物ならびにその製造方法及び使用」)

訴訟類型

民事訴訟

結果

請求棄却

趣旨

1 被告第一三共は,別紙被告第一三共製品目録記載の各製剤について,生産,譲渡,輸入又は譲渡の申出をしてはならない。

2 被告第一三共は,別紙被告第一三共製品目録記載の各製剤を廃棄せよ。

3 被告富士フイルムは,別紙被告富士フイルム製品目録記載の各製剤について,生産,譲渡,輸入又は譲渡の申出をしてはならない。

4 被告富士フイルムは,別紙被告富士フイルム製品目録記載の各製剤を廃棄せよ。

5 被告ニプロは,別紙被告ニプロ製品目録記載の各製剤について,生産,譲渡,輸入又は譲渡の申出をしてはならない。

6 被告ニプロは,別紙被告ニプロ製品目録記載の各製剤を廃棄せよ。

7 訴訟費用は,それぞれ被告らの負担とする。

8 仮執行宣言

争点

(1) 被告各製品は本件発明1の技術的範囲に属するか
 ア 構成要件B,F及びGの「緩衝剤」の充足性
 イ 構成要件B及びDの「安定」の充足性
 ウ 構成要件Gの「モル濃度」の充足性

(2) 本件特許は特許無効審判により無効にされるべきものか
 ア 乙1発明による新規性欠如
 イ 乙1発明による進歩性欠如
 ウ 乙9発明による新規性又は進歩性欠如
 エ 記載要件違反の有無

(3) 訂正の対抗主張の成否
 ア 構成要件2B,2F及び2Gの「緩衝剤」の充足性
 イ pHの調整に関する実施可能要件違反の有無

(4) 本件発明2に基づく請求の可否
 ア 被告各製品は本件発明2の技術的範囲に属するか
 イ 無効理由の有無
 ウ 訂正の対抗主張の成否

裁判所の判断

・被告各製品は,本件発明1に属しない。なお,本件訂正において構成要件B及びFは訂正されていないところ,被告各製品は構成要件B及びFを充足しないから,仮に本件訂正が認められたとしても,被告各製品は,本件訂正発明1の技術的範囲に属しない。

・被告各製品は,本件発明1の技術的範囲に属しないから本件特許の「請求項1の組成物」に当たらず,構成要件Kを充足しない。よって,被告各製品は,本件発明2の技術的範囲に属しない。また,仮に,原告の主張する本件発明2の訂正が適法であるとしても,前記2のとおり被告各製品は構成要件B,F及びGを充足しないから,本件訂正発明2の技術的範囲に属しない。

・以上によれば,その余の点につき判断するまでもなく,原告の請求はいずれも理由がないから,これを棄却することとし,主文のとおり判決する。

キーワード

技術的範囲の属否/文言の意義(「解離シュウ酸」・「緩衝剤」)

 

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