平成30年(ネ)第10029号 特許権侵害差止等請求控訴事件:モータ
事件番号等
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平成30年(ネ)第10029号 特許権侵害差止等請求控訴事件
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裁判年月日
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平成30年9月19日
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担当裁判所
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知的財産高等裁判所(第2部)
(原審・東京地方裁判所・平成28年(ワ)第35189号)
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権利種別
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特許権(「モータ」)
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訴訟類型
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民事訴訟
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結果
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控訴棄却
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主文
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- 本件控訴を棄却する。
- 控訴費用は控訴人の負担とする。
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趣旨
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- 原判決を取り消す。
- 被控訴人は,原判決別紙被告製品目録記載1及び2の各製品の製造,販売又は販売の申出をしてはならない。
- 被控訴人は,前項の各製品を廃棄せよ。
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争点
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(1) 被告製品の構成要件充足性(なお,被告は,次のア,イ以外の構成要件充足性を争っていない。)
ア 構成要件Cの「組み付けられ」の充足性
イ 構成要件D及びFの「開口部側端部」の充足性
(2) 無効理由の有無
ア 特開2009-11076号公報(乙2。平成21年1月15日公開。以下「乙2文献」という。)に基づく新規性又は進歩性欠如(特許法29条1項3号,2項)
イ 特開2004-187490号公報(乙3。以下「乙3文献」という。)に基づく進歩性欠如(特許法29条2項)
ウ 構成要件D及びFの「開口部側端部」及び「当接部」についてのサポート要件違反(特許法36条6項1号)
エ 構成要件D及びFの「開口部側端部」及び「当接部」についての明確性要件違反(特許法36条6項2号)
オ 構成要件Fの「当接部」及び構成要件Gの「隙間」についてのサポート要件違反(特許法36条6項1号)
カ 構成要件Fの「当接部」及び構成要件Gの「隙間」についての明確性要件違反(特許法36条6項2号)
キ 分割要件違反に基づく新規性欠如(特許法44条1項,29条1項3号)
ク 拡大先願要件違反(特許法29条の2)
(3) 先使用の抗弁の成否(特許法79条)
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裁判所の判断
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- 当裁判所は,被控訴人製品は,構成要件Cを充足するが,構成要件Fを充足しないものと判断する。
「3 構成要件Fの「開口部側端部」の充足性について
(1)ア 前記1のとおり,本件発明の課題は,ヨークハウジングの側部にホルダ部材の回転軸の軸方向の位置決め用の段差部を設けると,ヨークハウジングの側部の構成が複雑になるため,それを回避するという点にあり,同課題を解決するために,構成要件Fの構成を採用し,ホルダ部材の当接部をヨークハウジングの開口部側の端部に当接させて,ホルダ部材の軸方向の位置決めを行うこととしたのであるから,ヨークハウジングの側部に位置決め用の段差部を設ける構成は構成要件Fを充足せず,同様に,ヨークハウジングの開口部側の端部に位置決め用の段差部を設けた結果,ヨークハウジングの側部にも位置決め用の段差部が形成される場合も構成要件Fを充足しないというべきである。なお,ここでいうヨークハウジングの側部は,ヨークハウジングの内側の面全般を指すものと解され,その構成の複雑化を回避するという本件発明の課題に照らしても,その範囲を限定すべき理由はない。
したがって,ヨークハウジングの開口部側の端部に,当接部を当接させてホルダ部材の位置決めをするための段差部を設けた場合に,同段差部がヨークハウジングの側部に及ぶことにより,ヨークハウジングの側部にも段差部が形成されることになる同段差部の底部(ホルダ部材の当接部が当接する被当接部。以下「段差部被当接面」という。)は構成要件Fの「開口部側端部」に当たらないと解するのが相当である(控訴人も,争点(2)エにおいて,構成要件Fの「開口部側端部」は,ヨークハウジングの側部との対比で用いられ,ヨークハウジングの側部を除外するものであると主張している。)。
イ 被控訴人製品には,いずれも,開口部側の端部に深さ約0.9mmの位置決め用の段差部が設けられ,同段差部の底部(段差部被当接面)にホルダ部材の当接部が当接するところ,同段差部の設置により,ヨークハウジングの側部にも段差部が形成されることになるものと認められる(弁論の全趣旨)。
被控訴人製品においては,上記段差部の設置により,ヨークハウジングの側部に段差部が生じてしまうため,ヨークハウジングの側部の構成の複雑化を回避することはできない。
ウ したがって,被控訴人製品における段差部被当接面は,構成要件Fの「開口部側端部」には当たらず,被控訴人製品は,構成要件Fを充足しないというべきである。
- 以上の次第で,控訴人の本件請求は,その余の点を判断するまでもなく,いずれも理由がなく,原判決は相当であるから,本件控訴を棄却することとして,主文のとおり判決する。
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キーワード
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構成要件充足性(構成要件F「開口側側端部」)/均等侵害(第一要件、第二要件)
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判決文