平成29年(行ケ)第10171号 審決取消請求事件:選択された炭酸ランタン水和物を含有する医薬組成物
事件番号等
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事件番号等 平成29年(行ケ)第10171号 審決取消請求事件
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裁判年月日
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平成30年9月19日
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担当裁判所
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知的財産高等裁判所(4部)
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権利種別
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特許権(「選択された炭酸ランタン水和物を含有する医薬組成物」)
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訴訟類型
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行政訴訟:審決(無効・不成立)
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結果
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審決取消
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主文
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- 特許庁が無効2016-800111号事件について平成29年8月7日にした審決を取り消す。
- 訴訟費用は被告の負担とする。
- この判決に対する上告及び上告受理申立てのための付加期間を30日と定める。
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趣旨
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- 主文第1項と同旨
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取消事由
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- 取消事由1-1(本件発明1の進歩性の判断の誤り)について
- 取消事由1-2(本件発明2ないし8の進歩性の判断の誤り)について
- 取消事由2(サポート要件の判断の誤り)について 4 取消事由3(実施可能要件の判断の誤り)について
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裁判所の判断
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- 相違点1は当業者が容易に想到し得たものと認められるが,本件発明1が相違点1に係る構成を備えることによって顕著な効果を有するものとは認められない。したがって,相違点2について検討するまでもなく,本件発明1は甲1及び技術常識に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないとした本件審決の判断は誤りであるから,原告主張の取消事由1-1は理由がある。
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- 本件審決は,本件発明2ないし5は,本件発明1を引用してその内容を限定したものであり,本件発明7は本件発明1ないし3の製造方法であり,本件発明6及び8は高リン酸血症の治療のための医薬の製造のための本件発明1ないし3に用いられている炭酸ランタンの使用方法であるから,本件発明2ないし8も,本件発明1と同様に,当業者が甲1発明に基づいて容易に発明をすることができたものではない旨判断した。しかしながら,前記1(6)アのとおり,本件審決のした本件発明1の容易想到性の判断に誤りがある以上,本件発明2ないし8の容易想到性を否定した本件審決の上記判断は,その前提を欠くものであって,誤りである。したがって,原告主張の取消事由1-2は理由がある。
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- 以上によれば,原告主張の取消事由1-1及び1-2は理由があるから,その余の取消事由について判断するまでもなく,本件審決は取り消されるべきである。
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キーワード
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進歩性(相違点の判断)
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判決文