事件番号等
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平成29年(ワ)第2694号 著作権確認等請求事件
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裁判年月日
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平成29年7月27日
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担当裁判所
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東京地方裁判所(民事第47部)
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権利種別
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著作権(音楽の著作物「メランコリーメリーゴーランドガール」)
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訴訟類型
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民事訴訟
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結果
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請求棄却
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趣旨
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- 原告と被告らの間において,原告が別紙1著作物目録記載の歌曲に係る楽曲 についての著作権を有することを確認する。
- 被告JASRACは,別紙1著作物目録記載の歌曲に係る楽曲が使用(演奏,上演,上映,公衆送信,伝達及び口述,録音,頒布権及び録音物に係る譲渡, 貸与,出版権及び出版物に係る譲渡,映画への録音,ビデオグラム等への録音,ゲームソフトへの録音,コマーシャル送信用録音,放送・有線放送,インタラクティブ配信,並びに業務用通信カラオケでの使用)された場合,当該歌曲に 係る楽曲についての著作物使用料を徴収してはならない。
- 被告Bは,アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコに本店のある twitter, Incが運営するTwitter(ツイッター)の同被告アカウント(ユーザー名「b」 ユーザーID「@b」)において,本訴訟の判決確定日から30日間,別紙2謝罪広告目録記載の広告を掲載せよ。
- 被告Bは,(住所は省略)所在の株式会社朝日新聞社発行の「朝日新聞 全 国版朝刊」に,別紙3広告の要領記載の要領をもって,別紙2謝罪広告目録記載の広告を1回掲載せよ。
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争点
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(1) 原告と被告らとの間における「原告が本件楽曲の著作権を有すること」 についての確認の利益の有無
(2) 原告の被告JASRACに対する著作物使用料の徴収の差止めを求める請求の当否
(3) 原告の被告Bに対する謝罪広告掲載請求の当否
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裁判所の判断
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- 以上によれば,原告の訴えのうち原告が本件楽曲の著作権を有することの確認請求に係る部分は不適法であるから,これを却下することとし,その余の請求は,いずれも理由がないからこれらを棄却する。
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キーワード
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確認の利益/謝罪広告掲載請求/故意又は過失の要件
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実務上役立つと思われる点を、以下の通り判決文より抜粋する。
被告Bは自らが著作者ではない本件楽曲については被告CAP社との間における著作権譲渡契約の対象から外していたが,被告CAP社の事務処理上の誤りにより,本件楽曲が被告JASRACにおいて管理されるに至ったものであり,このことに被告Bが関与したとは認められず,また,このような事態の発生について被告Bに故意・過失があったとも認められない。 以上のとおり,被告Bが,本件楽曲に係る原告の著作者人格権(氏名表示権)を侵害したとは認められないし,故意・過失があったとも認められないから,著作者人格権の侵害を前提とする同被告に対する謝罪広告掲載請求は理由がない。
判決文