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知財裁判例速報

平成２８年（行ケ）第１０２２７号 審決取消請求事件：ＪＩＳ

  • 2017/06/29
  • 知財裁判例速報

事件番号等

平成２８年（行ケ）第１０２２７号　審決取消請求事件

裁判年月日

平成２９年６月１４日

担当裁判所

知的財産高等裁判所（第３部）

権利種別

 商標権（「ＪＩＳ」）

訴訟類型

行政訴訟（拒絶）

結果

請求棄却

趣旨
  1. 特許庁が不服２０１５－６８８１号事件について平成２８年９月７日にした審決を取り消す。

取消事由

（１）引用標章についての著名性判断の誤り

（２）商標法４条１項６号の解釈の誤り

（３）商標の類否判断の誤り商標の類否判断の誤り

裁判所の判断
  • 以上によれば，本願商標が商標法４条１項６号の商標に該当するとした本件審決の判断に誤りはない。
  • したがって，原告の請求は理由がないから，これを棄却する。

キーワード

著名性／出所混同／商標法４条１項６号


実務上役立つと思われる点を、以下の通り判決文より抜粋する。

 商標法４条１項６号の規定は，同号に掲げる団体や事業の公共性に鑑み，その権威や信用を尊重するとともに，出所の混同を防いで取引者，需要者の利益を保護しようとの趣旨に基づき，同号の規定に該当する商標，すなわち，これらの団体や事業を表示する著名な標章と同一又は類似の商標に当たるものであれば，これらの団体や事業の権威・ 信用を損なうとともに，出所の混同を生ずるものとみなして，無関係な私人による商標登録を排斥するものとした規定であると解するのが相当である。してみると，ある商標が同号に該当するか否かは，専ら同号に明示される要件の有無によって判断されるものであって，そのほかに，当該商標の指定役務等に係る取引者・需要者による具体的な出所混同のおそれの存在が必要とされるものではない。
　したがって，本願商標の指定役務に係る取引者・需要者による出所混同が考えられないことを理由に，本願商標の商標法４条１項６号該当性を否定する原告の上記主張には理由がない。

 

判決文