事件番号等 |
平成27年(行ケ)第10167号 審決取消請求事件 |
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裁判年月日 |
平成29年3月8日 |
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担当裁判所 |
知的財産高等裁判所(第3部) |
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権利種別 |
特許権(「オキサリプラチン溶液組成物ならびにその製造方法及び使用」) |
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訴訟類型 |
行政訴訟:審決(無効・不成立) |
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結果 |
審決取消 |
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趣旨 |
特許庁が無効2014-800121号事件について平成27年7月14日にした審決を取り消す。 |
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取消事由 |
(1) 明確性要件違反(無効理由1)についての判断の誤り(取消事由1) (2) 実施可能要件違反,サポート要件違反,新規性欠如及び進歩性欠如(無効理由2ないし5)についての判断の前提となる本件訂正発明の要旨認定の誤り(取消事由2) (3) 実施可能要件違反(無効理由2)についての判断の誤り(取消事由3) (4) サポート要件違反(無効理由3)についての判断の誤り(取消事由4) (5) 甲2に基づく新規性欠如(無効理由4)についての判断の誤り(取消事由5) (6) 甲2ないし8に基づく進歩性欠如(無効理由5)についての判断の誤り(取消事由6) |
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裁判所の判断 |
・本件訂正発明における「緩衝剤」としての「シュウ酸」は,添加シュウ酸に限られ,解離シュウ酸を含まないものと解すべきであり,したがって,本件訂正発明の「緩衝剤の量」とは,解離シュウ酸をも含んだ「オキサリプラチン溶液組成物に現に含まれる全ての緩衝剤の量」ではなく,解離シュウ酸を含まない「オキサリプラチン溶液組成物を作製するためにオキサリプラチン及び担体に追加され混合された緩衝剤の量」を意味するものと解すべきである。 ・本件審決が,本件訂正発明の「緩衝剤の量」は「オキサリプラチン溶液組成物に現に含まれる全ての緩衝剤の量」を意味するとの解釈に基づいてした本件訂正発明の要旨認定は誤りであるといえる。そして,本件審決は,当該要旨認定を前提として,実施可能要件違反,サポート要件違反,新規性欠如及び進歩性欠如の各無効理由(無効理由2ないし5)についての判断をしたものであり,上記「緩衝剤の量」が「オキサリプラチン溶液組成物を作製するためにオキサリプラチン及び担体に追加され混合された緩衝剤の量」を意味することを前提とした場合の上記各無効理由の有無については判断していない。特に,進歩性欠如の無効理由(無効理由5)については,請求人(原告)が当該解釈を前提とした場合の本件訂正発明1ないし17に係る進歩性の欠如を具体的に主張していたところ(本件の審判請求書(甲15)38~49頁),本件審決は,当該解釈が採用できないことを理由に,請求人(原告)の上記主張を検討の対象とせず,これについて何ら判断をしていない。してみると,本件審決の上記要旨認定の誤りは,少なくとも本件訂正発明1ないし17に係る進歩性欠如の無効理由についての審決の判断に影響を及ぼすものといえる。したがって,原告主張の取消事由2には理由がある。 ・原告主張の取消事由2は理由があるから,その余の取消事由につき判断するまでもなく,本件審決は取り消されるべきものである。 |
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キーワード |
新規性・進歩性(発明の要旨認定,引用発明の認定,相違点の判断)/特許請求の範囲の記載要件(サポート要件,明確性)/明細書の記載要件(実施可能要件)/用語の意義(「緩衝剤」) |